無垢材などの自然素材をふんだんに使用した木造住宅

 日本の豊富な森林に囲まれた風土ゆえ、昔から人にとってとても身近な存在であった木。その風合いや香りは人の心を落ち着かせ、豊かにしてくれます。

最近ではシックハウス症候群や化学物質過敏症などの関係から、「自然素材を使って家を建てたい」というお客様がとても増えています。

自然素材を使用した家は、四季がある日本の気候にマッチした素晴らしいものです。しかし、自然素材にもメリットだけでなくデメリットもあります。

これから家を建てようという方は、自然素材のメリット・デメリットについてもぜひ知っておいてください。

自然素材のメリット

無垢材などの自然素材のメリットは、何と言っても素材のぬくもりや質感を肌で感じることができる点ですが、自然素材にはその他にもたくさんのメリットがあります。

快適性に優れている

「木は呼吸する」といわれているように、木というものは木材になっても呼吸を続ける素材です。

木は優れた調湿作用を備えていて、湿度が高い時には湿気を吸い、乾燥しているときには湿気を放出し湿度を一定に保つ働きがあります。

日本のような高温多湿の環境でも、木材がうまく湿気をコントロールしてくれる事によって、人間にとって快適な室内環境を保つことができるのです。

また、木材は天然のエアコンとも呼ばれています。

木材の熱伝導率は、鉄の約1/300、コンクリートの約1/10ほどで高い断熱性を誇っています。このことで、夏は涼しく、冬は温かい理想の室内環境を実現することができるのです。

脱臭効果・消臭効果に優れている

森林浴には癒やしの効果があるのはよく知られていますが、これは木々が微生物や害虫から身を守るために発しているといわれている「フィトンチッド」という芳香によるものです。

森林には、動物の死骸や排泄物が蓄積されています。そういった蓄積物の悪臭を感じないのもこのフィトンチッドによるものです。フィトンチッドには、脱臭・消臭効果があり、抗菌効果も高いため、森の空気を常にキレイに保ってくれているのです。

そのため、フィトンチッドが発生する自然素材を使用した家では、その優れた脱臭・消臭効果によって、生ゴミやタバコの臭いなどの生活臭を除去し、クリーンな空気を保ってくれる効果があります。

自然素材の家は、家にいながら森林浴をしているようなもの

森林浴が癒しになるように、フィトンチッドには、精神を安定させ、呼吸を整えてくれる高いリラクゼーション効果があります。

たとえ、森林の木々が木材に製材されたとしても、フィトンチッドは木材から発生して、効果は持続しています。

なので、自然素材をふんだんに使用している家は、家にいながら森林浴をしているようなものといわれているのです。

シックハウス症候群対策

家を建てるときの建材や塗料などに含まれる化学物質が原因で、様々な体調不良を起こす「シックハウス症候群」が大きな問題になっています。

天然の素材をふんだんに使用した家造りは、必然的に使用される化学物質の量も少なくなるため、シックハウス症候群の対策にもなります。

自然素材のデメリット

そり、ゆがみ、割れが出る場合がある

メリットの面で、「木は呼吸している」といいましたが、これは無垢材のメリットでもあり、デメリットでもあります。

無垢材はその日の天候に合わせて、水分量を調整しています。その結果として、そりやゆがみ、割れなどが出る場合があります。

ただし、十分に乾燥させた無垢材を使うことによって、トラブルを未然に防ぐ事ができます。

傷がつきやすく、日焼けしやすい

無垢材のフローリングなどは、コーティングされた合板フローリングと比べて、どうしても傷がつきやすくなります。

そのため、傷が気になるようであればサンドペーパーで磨くなどのメンテナンスが必要になります。

また、経年による変色も無垢フローリングのほうが起こりやすくなります。新築当初は白っぽいフローリングでも、飴色に変色してきます。

これを経年変色と呼びますが、この変色を味わいとして楽しむのも良さといえます。

色にばらつきがある

無垢材は伐採された木をそのまま使用するため、印刷されたシート張りの建材と違って、色や見た目にばらつきがあります。

同じものが存在しないことが特徴でもありますので、素材ごとに変わる無垢材は好みの別れるところでもあります。